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「ケーキの切れない非行少年たち」 宮口幸治

新潮社

あまり後味のいい本ではない。
精神医として少年院に収容されることになった少年たちに関して著者がどのように分析し、対処をどうすべきか実践していることをまとめた書籍であります。

内容を自分なりにサマリすれば、
 認知能力に「問題がある」人はが一定の割合で存在し、そのような人が非行少年の中では顕著にみられる。したがって認知能力が一定水準がある前提の更正のプログラムは役に立たない場合がある。
 認知能力に問題がある場合でも、一般的な学習能力に問題ないケースもあり大学受験も突破したうえで殺人や性犯罪の衝動を抑止できない人がいる。
 それはまずもって本人やそうした非行・犯罪の被害者のためにも、経済的な損失を国レベルで考えても減少させるべきである。認知能力の問題は学校教育や少年院のプログラムでも修正することは難しい場合があり、著者が主催すると思われるコグトレが有効であるため、同様のプログラムを現場でわずかな時間で済むように工夫して取り入れるべきである。
 となるだろうか。
自分は心理学も精神医学も門外漢なので、その実体験に基づく対処法に関しては、否定したりすることはできないし、むしろ効果があるのなら何より本人のためには良いことだ感じた。

もし、そうしたトレーニングを社会性の生じる年齢までに一定レベル行い(9歳の壁という言葉ははじめて知った)改善するならば好ましいことだ。

 後味が悪いのは、本書でいう非行少年が著者の経験値によってカテゴライズされていて、統計的なものがあまり感じられないせいかもしれない。
逆に圧倒的多数の認知能力に多少問題がある人は少年院に入るようなことをしていないのではないか?
そうした素朴な疑問には本書は答えていない気がする。
読む人によっては非常に不快な気分になるだろう。著者は本書では言葉が足りていないのかもしれない。

著者の次の著作も借りてきたので読んでみてからかな。
コミックスにもなっているのだね。

ピッコマで無料で読めるみたい。読まんけど。

今んとこ☆☆か。

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