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「女帝 小池百合子」 石井妙子

著者は購読中の雑誌で連載しているので毎月目にしていて、視点が自分と違うので好ましく感じている。
本書は出版からだいぶん経ってしまったが、著者が雑誌中でとある方に本書の執筆を伝えたら
「およしなさいよ、くだらない。」と言われたとのことで、やはり購入はいつも通りせず図書館でいい子で待ってました。

小池百合子氏の危うさというか怪しさは言うまでもないし、本書が出てもなお動じることなく政治家続けているのだから、おそらく何らかの自信と裏付けがあって「学歴詐称」には対抗しうると考えているのだろう。
今のところ政治家としては致命的な公職選挙法違反容疑を明確に打ち出している本書に対して、訴訟等の手続きに入らないということは、おそらく本書の内容はかなり正しいのであろうと推察できる。
一般に自身の地位が完全に否定されうる情報に対して、過剰に反応すればするほど、その情報を否定するためには完全に対抗するエビデンスが必要になるだろう。無視していればその必要はない、否定も肯定もしないのは自身に非がある場合で且つ、相手より社会的地位があり力もあるときは最も良い対処方だろう。

近年その対応に失敗したのは、誰あろうシンゾーだった。坊ちゃんは非があることをは当然自覚していたので感情論でソーリも議員もやめると吹いてしまった。まじめな公務員の自死の原因をつくってしまったのだから、彼は地獄で非を悔いることになるだろう。

しかし小池百合子は感情的にもならないし、本書で取り上げられている「ツバメ」(これは僕の邪推だが、本書の著者の意図はそこにあると読み取った)を利用した蓄財にも弁解含めて触れない、黙殺である。
してみると、小池百合子という怪獣は、自信に非があるとは思っていないのだと推測できる。
つまり罪悪感がゼロの人である。
これは恐ろしい、以前そのような人と仕事をしたことがあるが、自分の今を守るためには他人の物理的・心理的痛みは一切無視できる人がこの世にはいるのだ。

本書の良かった点は、ドキュメンタリーの枠を超えなかったことで、批判めいた著者の考えはうかがえない。
どちらかと言えば、自分と同じように「このような人物が存在する驚き」を示し、なぜそのような人物が出来上がっていくのか考察したにとどめたことは、取り上げた人物からの攻撃を予期してのことかもしれないが。

彼女も齢70、前回の総選挙での失敗は結局リカバーすることできずにCOVID19によりオリパラとともに撃沈され機会を失ったまま都知事任期を終えて忘れ去られるしかない。ガース退陣はどさくさ紛れで細川政権を自分に起こす手品の種も吹き飛ばした。

残された世間の耳目を集める最終手段はカミングアウトだけだが、それはできないだろう。
ただ政界から去るときは自身の虚構が崩壊するときであろうからどこかにしがみついて老醜をさらすかもしれんが。

本書について言えば、年譜等をもう少し図表で淹れてほしかったのとグラビアの卒業証書などは本書でも小さすぎて違いが判らないのが正直なところ。むしろ彼女はきちんとしたものをあらゆる手段を用いて用意していると考えるべきでその点の詰めはやや甘いかと感じた。

この怪獣はむしろ哀みを感じさせるな。

2021/09/15

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