「市場と権力」佐々木実

講談社

経済の本はリアルタイムでないといけないかと思いつつも、現場で多少なりとも経済活動をしている立場では、信じられるのは自分の感覚だけで、分析やら予測やら外野でいわれてもプレイヤーとしては結構邪魔だったり胡散臭く感じるだけだ。

現場でほしいのは、今起きていることの事実とバックボーンの情報が一番で、その次にどうしてこうなったかという補助線を引くための補完材料のように思う。

アベノミクスが失敗に終わるのはもう明白なように思っているが、なぜこうなったのか、今後どうすべきかを考えるとき、やはり小泉政権以降の潮流は把握しておいたほうがよいと思う。

今、息子が年増女性に篭絡されて結婚が話題なので、考えてみれば随分と時が流れたものだ。

歴代の総理を振り返っても、小選挙区導入後の政治的な潮流がまずあって、政治家は次第次第に小粒になりまるで就職活動の一環として政治家にでもなるかという人々と家業としての政治屋で構成されるようになり、何か志があっての政治活動というのは感じられなくなったのではないだろうか。

そこにたまたま橋下氏のような、被差別意識の裏返しとしての改革の意思が見られると支持があるまり、今回の参議院選挙でみても、山本太郎に支持が集まる要因があるのだろう。

我々がいるビジネスの世界では、竹中平蔵の敷いた新自由主義的路線は本人が否定しているようだが、間違いなく定着してういる。

官から民、規制緩和、小さな政府、財政収支の均衡、など良いこととされ、一人ひとりの努力と才能によって差がつくのは当たり前といされてきたように思う。

本書を読むと、正に竹中平蔵氏自身がその具現者であるのだなと感心させられる。
あらゆるチャンスをすべて自分のために使いながら、あたかもそれは社会全体の利益になるというお題目の下、隠れた事実として信仰させる。見事しか言いようがない。

氏の敷いたレールを、売却先のアメリカは最大限に利用して、戦後復興期の日本社会の理念を破壊していったともいえるのではないか。
グローバルスタンダードはすなわちアメリカのルールであり、アメリカファーストと喚く大統領はその延長線の上に成立したのだろう。

ひところに比べて20%は円安になって、日本に債権を保有してもらっている債務国アメリカとしてはシンゾ―はとても良い友達だろう。

その果実を味わっているのがだれなのか、物まねで世の中わたってきた者が知らぬはずはない。
昨今起こる、格差あるいは差別に起因する様々な暴力的事件が自分たちに向かうことはないと思うほど甘ちゃんでもあるまい。

格差がある中で、上位にいる立場であれば考えることは一つ、現状維持だろう。
歴史を振り返ればその企てが成功したことはないのだが。

 2019/8/9

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