平成11年 の夏 品川の二葉でマンション販売事務所にいた時のこと。
それこそ経験したことのないような雨音とともに事務所の外側がなにやらおかしい。
事務所は立会川を暗渠にした立会道路に面した木造2階建て店舗とアパートの併用の古びた木造建物だった。
暗渠にしたために建物入口は道路より低く、裏口側は周辺の地盤面と同じ高さで、いずれも路面より50センチほど低くなっている場所であった。
入口サッシの内側に拭いても拭いても水がしみ出てくる・・・なんだかおかしい。
立会道路を見てもまだ冠水している様子でもないし訳の分からない状態で私を含め3人のスタッフは仕事もそろそろ片付けようかとしていた。
「そういえば裏はどうなんだろう?」と裏の引き戸を開けた瞬間、事務所の床は水が一気に入ってきた。すでに裏手は膝くらいまで水が溜まっていたのだ。
慌てて戸を閉めようとしたが、もう水圧でどうにもならない。しかも水かさはどんどん高くなってくる。
コンセントに水が達したら感電してしまうかもしれない!そんな恐怖で皆机の上に上った。
もうそうなるとどうにもならない、部屋の中には冷蔵庫がぷかぷか浮いて、キャビネットも空気の加減か浮き上がりかけている。
コンセントは水没して電気は落ちてしまった。意を決して水中を歩いて(もう腰くらいまで来ていた)立会道路側に逃れた。
東京都建設局のサイトより
出たところは新幹線の高架の横、西大井駅すぐの場所だ。
効果からは滝のように雨が流れ出て立会道路のマンホールは水圧で吹き上げられてさらに水が噴き出していた。
ずぶぬれになれながらも道路沿いの庇のしたであちこち電話で状況連絡していると、道路が冠水して歩けなくなるような状態にはならずに雨は上がった。
産経WESTより
川の合流点等ではなく、暗渠による流路の制限がある場合、水は逆流するのは同じ原理なのだろう。
そして大井町駅周辺よりわずかに土地の低い西大井駅周辺で静かに決壊しオーバーフローしてしまったわけだ。
当時の立会川の暗渠からの出口の映像はすさまじい勢いで水が噴き出している様子があった。
水はまさに高きより低きに流れていき、遮るものがあったときはわずかな隙間・高低差を逃さず襲ってくる。
当時買ったばかりの車がほぼ全損になり、書類その他すべて水浸し、唯一の今回の災害の違いは土砂はなかったので(その代わり下水の強烈なにおいはあったが)比較的復旧は容易だったこと。
何十年、何百年に一度といっても自然から見ればほんの一瞬前のことでしかない。
人の力でできることは限りがあって、自然の摂理を変えることはできないのだから、そのリスクを十分に理解してうえで暮らしていかないといけないのだと思い知らされた記憶だ。
2018-07-11
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