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『竹中平蔵こそ証人喚問を』 佐高信

七つ森書館

佐高信氏の本。
見た目反骨の人であります。
このところの自分の興味関心事項の「なぜここまでグダグダの世の中になってるのか」の流れで、経済的には竹中プランあたりが割と節目に感じていて、その竹中批判なのかと思って本書と、別にもう1冊読んだ。

旬報社

本を読むとき出版社を意外と気にするタイプなのだが、前書に関しては出版社はすでに清算されていた。佐高氏は印税2000万円もらってないなどとwikiに書いてありましたな。
読む比べるとどっちも大差ない雑誌の記事の再構成のようなので同情することもない気もしました。

少なくとも竹中プランについて少し考えたいと思ってる人には不要な内容であります。
公的な仕事に就いて、何事をなしたか、ということと、そのことでどのような利益を本人は得たのかというのは倫理的には問題があったとしても前者と後者は分けて考えなければいけないだろうと思う。
利益相反になるような行いをしたり、あるいは自己の利益のために公的な仕事を捻じ曲げたりしたのであれば批判され、場合によっては法により罪を問われるべきだ。

批判として書物にして世に問うのであればなおさら、仕事としてなしたことの評価と属人的になされたことをきちんと区別して、そのうえで疑惑があれば取り上げて分析し批判するのが筋だろう。
竹中氏や宮内氏など本書で取り上げている塀の中に落ちなかったひとたち、村上氏や木村氏・堀江氏など落ちた人たち、それぞれ功罪はあるとしても、それぞれ我々普通の人間から見れば大きな実績を残してはいるのだ。

両書ともありていによれば罵詈雑言である。
好きか嫌いかの話であって批判ではなく非難の書になっている。書きおろしではないのでエッセー集だからいいのだ、と言われればそうかもしれない。しかし辛口批評家らしい言論人の書としてはまるで話にならないし、むしろ生きてる間には出版しないくらいの矜持が必要ではないのかと思った。

竹中プランの詳細に触れたり郵政民有化など具体的な内容は全く触れられていないので要注意。
時間の無駄ではあるがすぐ読み終わるのでそれこそトイレタイムに読むのにいいかもしれない。
実際僕もそうしたが。

飲み屋で憂さ晴らしするような本なので薬味としては面白いかもしれない。
お里が知れると文中にあるが、まさにブーメランであった。残念。

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