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「データが語る日本財政の未来」 明石順平

集英社

「アベノミクスによろしく」が面白かったので読んでみた。
前書きでも謳っているが、アベノミクスに関しての内容はよろしくおほぼ同じだ。
アベノミクス批判から、日本財政に論点を拡大してお得意のデータ分析をしました、ということなのだろうが、失敗している印象だ。

自分もそうだが、他人様の「失敗」を指摘して原因を分析するのは意外に簡単だ。だからこそ「人のふり見て我が振りなおせ」などともいわれるのだ。
アベノミクスは通貨供給を無理くりでも増加させて、円安株高に無理くりでも持ち込めば多少なりともデフレからの脱却進み、そうなれば賃金上昇など経済的な善循環が動くだろうと期待した政策と理解している。

リセッションに対する対策として公共投資を行っても大して効果がない状況下で、ケインズ的な手法が疑問視されて以降、有効需要などという言葉も聞かれなくなり、経済の知識など皆無のわがソーリが乗った手法はシンプルにだったが結果は失敗だった。
無駄な公共事業を削減すると言えば選挙では耳障りはいいのだが、建設業は受注が減少して、結果的に人材不足に陥り今は円安による資材高もあって建設費が暴騰している。

単純である冒険して研究開発に資金を突っ込んで株主に追及されるより、内部留保高めて株価を維持したほうが無難に過ごせる大企業経営者たちに、給料上げろ投資しろともっと忖度させればよかったのだろうけれどね。

財政全体に論点をもっていったのは失敗というか、この著者の財政に関する知見の浅いところが露呈してしまって残念な内容になってしまった。
肝心なところは「誰にもわからない」と逃げてしまうのであれば批判は批判でなく非難になってしまい、建設的な議論にはならなない。
処方箋が書けないのであっても、批判している点から反証として導かれる方向性はあるはずで、不確実であったとしても示す必要があるのではなかろうか。

伏線は示されている。「増税」である。掛け合いの中でさんざん増税(国民負担増)に触れながら、逃げ回っているのは今の施政者と何ら変わりがない。

今後消費税の益税が解消される方向に向かっており、所得税、消費税の徴収はより強化される気がしている。
この状況下、法人税は大企業に甘く、円安も含め企業規模によって大きな格差が生じている。また小泉竹中以来の資産課税の「意図された手抜き」による負担の格差も生じている。地方税とは言え固定資産税もでたらめな状況だ。

財政の中で債務の占める部分は確かに小さくはないが、それでもなお消費税以外の税収のほうが大きいのだ。その点をまるで無視したような議論で財政は語れるはずがない。

売れるからと言って雑な内容の出版をしていると飽きられるし、見限られるよね。

2019/10/14

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