「君は憲法8章を読んだか」大前研一

8条

高校同窓の有名人の一人なのだが、なんとなく虫が好かないという落合信彦と同じ理由の個人的偏見で、著作はほとんど読んでいないが、今回たまたま図書館で気になり手に取った。(落合氏の本は若いころ結構読んだがあれはフィクションでしょ?と今でも思ってる)

人の外見とか話し方による印象は、著作を読むと変わることが在るのだが、この本を読んでもあまりご本人の印象は変わりなかった。自信があるというのはうらやましい限り。
誰しも経験から著作物を表す考え方を身に着けていくのだし、そうした経験を疑似的に体験できるという意味でそうした著作を読む意味がある。市井のドメスティックな住宅・不動産の営業マン人生を歩んできた自分からすると、シンクタンクやら国際的なビジネス感覚での話は、正直鼻につくが興味深い。
興味をひかれたのは「資産課税を強化すべき」という発想。なんだ地べた這いずり回ってる自分と同じ主張じゃないかという点。
経済はグローバル化によって企業もカネも国境を越えて、利益最大化のために動き回る時代に「国」の果たすべき役割は何か。
この本のテーマを自分なりに咀嚼して一言でいえばこうなる。
もっと根本的に考えれば、国家とは何かということにもなるが、大前氏は自らの著作(「平成維新」1989年刊)からの引用でかなりの長文で「大前版憲法草案」をこの著作の中で再提示しており、そこでは「国家」「領土」「国民」「納税義務」の順序で草案条文として、̪彼の定義が記述されている。
ここでは国家の定義や領土・国民の次に「納税」とくることに注目したい。
現行憲法と比較することはあまり意味がないが、ずいぶんと早くに納税義務が出てくる印象だ。
現行憲法は敗戦後に大日本帝国憲法から大変身させたわけだから、現在は当然の「自由」「権利」についての重要度は今とは違う。
大切なことから述べ・記すというのは17条憲法の聖徳太子以来いつでも変わりない。
とはいえ、氏の経済人としての感覚として「国家」の基本法規を語る際に「納税」が最初になることは、主義主張ではなく当然のことなのだろうと妙に納得できる。
単純に夜警国家論的な主張を氏が行っていないのは全体を読めばわかるし、自分も同じように「日本」という国にはよくなってもらいたいと思う。
エコノミスト・経営コンサルタントとして高名な氏の着目点が、現状では選挙に勝てる見込みがなさそうな政策にしかならないというのが今の日本の問題なのだろう。
そういえば、橋下元維新の会代表は、大前氏のこうした意向について理解していたのだろうか?
まあそれはどうでもいいけれど。奇しくも二人とも早大OBで似たようなところがあるのかもしれない。
自分は、明治維新勢力直系(?)のソーリには絶対にできないであろう、税制の根本的改革を望むのは無理にしても、地方税収の要である固定資産税の在り方は絶対に変えるべきだと思っている。
流動資産に課税するというのはどうやって補足するのだ?という点で疑問が残り、所得のほうが保続しやすく国税はそのほうが良いのではないかと思う。
地方税は「地」方税なのであるから動かない固定資産課税が一番良いのだろうし現状もそうなっている。
問題はその課税の仕方・税制の運用ではないだろうか。
地域の基本インフラや警察消防などは、地域の税収でおこない、国から交付税交付金などで補填するのはやめたほうが良いとおもう。この点は氏の主張に同意する。
地方に行って驚くのはこんなところまでと思うような道路さえ立派になっていることだし、ぽつんと立っている家々にも水道があり電気が来ているということ。
もし、国からの配分や法律による電気や郵便の一律的なサービスの保証がなかったら、とうに人の住まなくなっているところはたくさんあるのではないだろうか。
おそらく土地の価格はそうした地域ではゼロに近づき、固定資産税もゼロに近づき地方自治体は存続できないかいわゆる行政サービスがゼロになる。
本来土地の価値などほぼないところに無理やり価値をつけて税収を上がるからサービスを提供せざるを得ない。
逆に都心のレジデンス用地は住宅用地というだけで固定資産税が1/6になって本来の税額から大幅に減額されて、本来の税収を大幅に下げている。
都心部で意味のあるとは思えない容積や斜線制限なども問題だろうが、一番はやはり住宅用地の課税の特例だと自分は考えている。
この本のような大上段の話ではないが、少なくともこの改革を行おうとする政党は政権を取ることが困難だという点では同じ。
なんであまりこの件に政治家がふれないのか、わかる気はするけれど。

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