「二宮金次郎はなぜ薪を背負っているのか」猪瀬直樹

二宮

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猪瀬直樹氏は、都知事辞任に追い込まれたときの印象が強い人のほうが多いかもしれないが、著作は魅力的なものが多いと僕は思っている。

「ミカドの肖像」や「土地の神話」は東京圏(に限らないけれど)不動産に係わるものは読んでおくべき本だと思う。

本棚から引っ張り出して再読したのはサブタイトルの「人口減少社会の成長戦略」が気になったからだ。

このところ、空家問題あるいは生産緑地の期限の問題など、事本的には土地利用と人口の動きに関することが自分の関心事項となっていて再読してみた。

この本による、報徳仕法というものに関する自分の浅薄な理解としては、支出を決めて(分度)、収入がそれを上回れば公平に運用して共有し、状況を好転させていく手法ということになる。

初めて読んだときの印象は「自分には無理だねぇ」という程度のもので、言うは易く行い難しの典型だよと思ったものだ。

著作の初出から10年以上たって、猪瀬氏はその後副知事・知事をされて、心ならずもというか政治のドロドロした争いの中で、名を貶められてしまった。また、失われた10年はどんどん伸びて20年を超えてしまった。

日本の政権はこの本の出版後、いったん野党民主党になり再び自民党に戻った。

民主党は外交経済とも政権担当能力の未熟さを見せつけてしまい、失地回復は簡単ではないだろう。今の政権はよりダメなところよりましという選択であることをわすれてしまったようだが。

個人的にはすでに現在のソーリはすでにレイムダック状態で、また大腸炎でも起こさない限りかなりみじめな引き際になりそうな気がしてる。

よく言われてきたことだけれどお友達政権で、円安誘導政策により株価上昇・大企業の収益改善など一定の成果を上げたように見えても、一般に「落ちてこない」状態があまりに長く、お友達は優遇されていると感じられて信頼できなくなってしまったのだ。

公平で公正な進め方というのは難しいが、おそらく「よりましなやり方・記録のつけ方」はあると思う。

ただし、それより重要なのは、問題点を正確に把握し、事実に基づいて解決策を立てているののかという行政手腕が問われていいうことにソーリは気づいていないし気づかないと思わされるということだ。

政治的命題を何かしら持っているのだろうとは思うが(爺コンプレックス)いま必要なのは違うことだし、今やらないとここ10年くらいでできなきなる可能性があると思っている。

猪瀬直樹氏は最後に以下のようにまとめている。

『金次郎の改革を「近代の超克」のヒントとして受け止めたい。もともと単なる道徳でもなく、単なる信用組合でもなく、単なる荒地開発ではなかった。報徳仕法はそれらをすべて統合した攻めの富国論だった。(略)日本人は江戸時代後期と同じく再びゼロ成長の時代を迎えている。人口減少社会では全体の国内総生産(GDP)の増大を見込めないとしても、一人当たりの売上高・利益率を増やす方策を構築すればよいのだ。徹底した行政改革により国家の歳入・歳出を見直し、金融技術を磨いて効率を追求しつつモノづくりの伝統を活かす。建設業や人材派遣業や外食産業などの異業種が農業に進出しはじめている成熟社会のいま、近似路の思想は必ず生きてくる。』

「近代の超克」にカギ括弧つけるあたりが猪瀬氏らしさが滲み、都議会のドンににらまれるんだよということさておき、本文前半での人口動態の把握や推論などから人口減少そのものを恐れず、惑わされずという姿勢は首肯できる。

もし、今の世の中で二宮尊徳が実務者だったとしたら何をするかといえば、やはり事実を調べるのだろう。

人口減少と土地利用に関して少し考えるヒントをもらったような気がする。

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