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不動産営業マンが苦手な物件のこと

とある私鉄沿線の割と人気のある地区の土地です。

駅から徒歩で17分の計算ですが、実際に歩くと上り坂なのでもう少しかかります。

広さは約90坪で眺望・日当たりは良好。道路も問題ありません。

ただし、写真の通り大谷石の擁壁で高低差は道路から地盤面まで2m以上あります。

 

私の場合、不動産・住宅関連の仕事の端緒は注文住宅の営業でしたから土地の見方は

「建つか建たないか」がベースにあります。

土地はほとんどの場合、そこに建築を行って利用します。

畑や資材置き場・駐車場は建築を伴わない場合もありますが、ここでは宅地に絞って考えます。

 

建つか建たないかは、一つは法的に建築が可能か、次に技術的・予算的に可能か、という意味があります。

法的制約は、民法・建築基準法・都市計画法・その他様々な建築に関する規制がありますからそれらをクリアできるかどうかということです。

技術的・予算的に可能かというのはその場所で施工ができるのか、できるとすれば経済的に合理性のある範囲でのことなのかという判断が求められる内容です。

 

さて、標記の土地は建つでしょうか?

 

勿論法的には建ちます。

建築基準法・都市計画法その他条例に適合する建築物であれば許可でなく確認で建築できますね。

ところがもし擁壁の安全性が確認できなければ最悪がけ条例が適用される可能性があります。

おそらく宅造許可は必須ではないと思われますが、もし必須と判断された場合許可が必要ですから確認と異なり、宅建業法的には再建築不可になってしまいます。

そもそも現在の市況でこれだけの規模の土地で駐車スペースが確保できていないのは問題ですが、駐車場は確保できるのでしょうか。その場合擁壁は築造しなおしなしが必要なようです。

道路よりかなり高くなっていますが資材の搬入はどうすればよいのでしょうか。やはり擁壁は一度壊すべきかもしれないし、予定建築物が決定してこないと検討しずらい内容です。

 

不動産仲介営業マンにとって、このような事案は建築の知識経験・あるいは人脈が無ければ市場価格を想定することはなかなか難しい仕事になります。

 

本件に関して簡潔にまとめると現状の建築法規・市場性に適合させるためには、相当の土木工事が必要となるため、類似の条件で且つ高低差が支障ない物件との比較すると、著しく市場価格は低くなる可能性が高い。ということになります。

 

擁壁のある物件はたくさんありますが、おおよそ1m以上の擁壁の案件は仲介マンの力量によってはトラブルが起こることがあるので注意が必要です。

 

本件はどのようになっていきますか。
庭園として利用するだけならとても良い案件なのですが。

 

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