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「戸籍アパルトヘイト国家・中国の崩壊」川島博之

講談社BOOK倶楽部 のサマリーだと

「20年間に40回以上も中国奥地の農村を訪れ、合計300日にも及ぶリサーチを行った著者の結論――9割が中国沿海部に滞在している日本人の「上海メガネ」からは、彼の国の一片の真実も見えない!
「韜光養晦」は、トウ小平が打ち出した「才能を隠して内に力を蓄える」中国の外交・安全保障の方針。しかし習近平はこれを破り、アメリカに挑戦を始めた……まだ機は熟していないにもかかわらず。これが中国3000年の歴史の中で最大の失敗だった。
カネも知識もない9億人の貧農を、競争力の落ちた4億人の都市住民が支えるのは絶対に不可能! いわんや中華思想的なメンツから「輸送船」レベルの空母3隻に莫大なカネを浪費すれば、その途端、中国経済は呼吸を止める!
中国3000年の裏面史も辿り、近未来の中国社会に投影する意欲作!!」

ということなんだけど、中盤以降はなんだかちょっと違うなという印象でだった。

現代中国が抱える問題は、都市戸籍・農民戸籍の問題に収斂しそうなことはむしろ自明のことだというのが自分の基本的見方だったからかもしれない。

著者は農業問題が専門のようで、食料問題は中国でも起きなかったし。これからも起きないという前提のようだ。少し違うと思ったのはこの認識かもしれない。

現在の中国は形を変えてはいるが独裁という意味では19世紀的な統治スタイルの国だ。WTOに加入したといってもおそらく世界で一番国家による統制を貿易あるいは為替で行っていると思う。

西欧諸国が第三世界を植民支配することが困難であることが第2次世界大戦以降のアジア諸国の独立から編み出した「自由」な交易による支配的立場の継続に参入しつつ、その制度は無視して自国の規範を持ち込もうとするかの国のやり方が、世界で受け入れられるなら、食料問題は起きないかもしれない。
現状ではアフリカや中南米あるいは東欧の諸国に対する、経済的な侵略ともいえる今の対外政策は、間違いなく先行していた西欧勢力と対峙せざるを得ないだろう。

とはいえそれが直ちにアメリカへの挑戦・空母の整備を含めた軍事力の強化に結び付くほど、頭の悪い人ばかりではないだろうと自分は思う。

南シナ海、インド洋における軍事的拠点づくりやアフリカ・中南米へのアプローチはむしろ食糧安保の意味合いが強いのではないかと思っている。
何せ13億人以上いるのだ。しかも超高齢化は目前で日本の比ではないはずだ。零細な農民は高齢化して極端に自給率は低下する可能性が高いのではないだろうか。
僅かな気候変動や環境の悪化でさえも、数億人が食い扶持求めて蜂起することが中国にとって最大のリスクで、次が少数民族への弾圧に対する反発だと思える。

農業問題が専門の著者なのでそちらに話が向かうと思ったら、経済崩壊・外交音痴と周辺部をなぞって崩壊のプロセス予想にはたどり着かなかったように感じた。

あるいは著者の他の著作を読めばそのあたり述べているのかもしれないが、文章のつづり方もやや感情的になっていて、理系の方の著書としては残念な気もしてっしまった。

図表による解説も中盤以降ほとんどなく、主観的な考えの表出の印象はぬぐえない。

続きがあるなら読んでみたいですね。

2018-11-22

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