はじめて住まいを購入する

最近というか、まだ進行中というべきか、50代に入って初めて住まいを購入したいと思った知人がいる。

長いこと親元にいたし、勤めの関係でふるさととは縁のないところに行っていたので考えたこともなかったのだろうと思う。

彼に限ったことではないが、普通は何度も住宅を購入したことのある人はあまりいない。

こちらは、住宅の建築に関してと購入についての実績合わせれば1000件超えてきてるから、慣れてしまっている部分はあってあまり意識しなくなっているし、雑誌の特集などでもそこは前提として省かれてしまっているように思ったのでメモしておく。

「なぜ」住まいを「購入」するのか。

そりゃ家賃がもったいないとか、手狭になったとかいろいろあるでしょうね。
意外に多いのは家族が増えて手狭になると賃貸で選べる物件が少なくなるというのは、マンション購入層に多い気がします。

家賃がもったいないとというのは、不動産価格と賃料のバランス感は個々人で違うだろうから何とも言えない。

住まいを提供する側の見方としては「買わなくちゃいけない理由」があるなら、早く購入したほうがいいよねってこと。

 

こちらが住宅の仲介・販売のステージにいて、言ってみれば買いに来たお客様はたいてい、買わなくちゃいけないその理由があって(あるいはあると思って)、敷居の高いはずの不動産業者のドアを開けているので、営業マンはそこはあまり気にしてないし、気にしてたらやってけないという部分もある。
そのせいかお客様に「なんで」住まいを買うのか?を聞いても表面的なことで終わってしまって、曰く「家賃が・・・」「手狭で・・・」「環境が・・・」となるので、ほんとに購入以外に問題解決の手段がないのかという視点はないよね。

ほとんどの場合住宅ローン使うし、諸費用考えると一度購入すると何度も着替えるように住み替えるのは不経済だから、そこは慎重にいかないといけないはずなんだけれど、不動産業者は買ってもらってなんぼだからそんなこと言ってられない。

冒頭の知人の場合、ずーっと購入する理由がなかったからそのまま来ていて、今回生じた家族構成の変化と実家の問題がなければその気にはならなかったろうね。

これから少子高齢化進めば住宅は供給過剰の実態が露骨になってくると思う。東京ですらおそらくあと20年このままいけば、人口だけでなく世帯数も減少するだろう。

住まいを購入する理由が本当に理由になっているのか、きちんと検証する必要があるのだけれど、これ商売にしずらい。宅建業法の規制もあるし、ユーザー自身があまりそこがコストかけるとこと思ってないからね。

相談結果購入しないほうがいいとなった場、相談受けたほうは調べて時間かけて相談に乗って「タダ」この状態で購入したほうが良いという判断へのバイアスかかるのは当たり前。

はじめて住まいを購入する人はそこに気づいていないし、そこをマネタイズしていけないと本当の意味で不動産コンサルティングとしての住宅購入相談にはならないなぁと思っている日々。

 

2018-11-28

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