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『「縮み」志向の日本人』 李御寧

  講談社BOOK倶楽部より

何かを読んで書名に突き当たり読んでみる、というのが最近の本の読み方になっている。以前は書店に足を運んだり、図書館で書架をウロウロしながら「読みたい」書物を探していたように思うが、ネット通販にすっかり適応してしまったためか、興味のあるものからの繋がりで直接次の対象に行ってしまう。

この本も図書館で借りたのだが、図書館ですらネット検索して予約して受け取ることができるようになっていて、例えば目的の書物の周辺にある(分類コード上近しいということ)書物を目にしたり、ましてやパラパラと目次を見てみるということもあまりなくなっている。

時間の短縮という意味で、正に本書でいう「縮み」「引き寄せ」であって、もしかすると日本人はこのような行動様式がとても好きなのかもしれないなどとも思う。

著者は戦中に幼少期を日本統治下の朝鮮で過ごした朝鮮人とのこと。文章の端々に朝鮮と日本の関係や歴史に関する、著者の考えがにじませてあって、日本人論として読む際に特に前半はイライラさせれれる点が少なからずみられた。

全体を読了して振り返ればそうした感覚はむしろ薄らぐ論調が後半から増加して、中国人・朝鮮人あるいは東洋人と日本人の比較なのだと気づかされるのではあるが。

本書は日本人論として、入試問題にもよく取り上げられると聞いたが、今回は話題の歴史小説「日本国紀」の論評周辺からこの本に結びついたように記憶している。

すぐ隣のおそらくは血脈的には極めて近しい隣国(国家の歴史のほうが人の交流よりも圧倒的に短いであろう)の論じる日本人、それもまだ失われた10年とされている時期についての分析・論評は、その後も失われ続けているかのような日本の状況と、このところ緊張感の高まっている東アジア状況を考えるうえで参考になるように思えた。

2019/01/20

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