PR

住宅ローン、払わずいるとどうなるか

コロナ新型肺炎蔓延中であります。
どうぞどうぞ、ご自愛ください。
昨日あたりから話題になってるのが路上や自宅で変死、調べてみたら感染してたというもの。
軽症か無症状だったのでしょうか、それとも何か事情があって医療機関に行かなかったのか・・・

御商売されている方、或いはお勤めでも残業がなく収入が落ちてしまった方、たくさんいると思います。
世の中は、住宅・店舗・事務所いずれも「賃料」が大きく取り上げられて「減賃」という聞いたこともない言葉が飛び交っており、海外でも「RENT STRIKE」なるもので払わんぞまけろ~オーみたいになっているようです。
日本の借地借家法では、賃借人はそう簡単にオン出されませんから、住居を借りてる方はそう慌てなくても大丈夫だと思います。
アパート・マンションのオーナーも返済や税金の支払いはあるので、賃料が入ってこなければ大変です。
私がもしその立場であれば、減賃には応じたくないし応じられないかもしれません。予定していた賃料が将来的に減額になるとなれば全体の計画に齟齬をきたし、ひいては自分が借りているローンの計画が大きく変わってしまう可能性があるからです。
むしろ、待ってお願い!と言われたら待つかもしれないです。予定の時期には入金なくても永久じゃありませんし、賃料の支払い遅延は退去要求の条件になっていることが多いと思うので、リスクはあるものの減賃より小さいと思います。

住まいという「モノ」を借りている人は「占有」という物理的な事実があるのである意味強いと思います。
問題は住宅ローンという「カネ」を借りている場合、そう私も含めて大半の住宅購入者さんの置かれている状態です。
自ら所有する住まいにいて占有しているのだから賃貸より安全かというとそうでもないと思います。
むろん、約定通り返済をしていれば何の問題もありません。

今回に限らず、大きな変化があって返済を期日までにしないとどうなるか。
まず、ほとんどの方がローン借りるときに「金利優遇」というものを受けていると思います。店頭金利からマイナス〇%で実際の金利は□%です♪的なのです。
たいていローン契約の際に別途金利優遇の特約を締結してると思うのですが、そこに条件があって返済が1回といえど。遅延したらこの優遇無くなりますとあるのを読んでない方が多いのではないでしょうか。
例えば4000万円を店頭金利2.475% 金利優遇2.005%などという破格の条件で借りていたとします。
返済額は30年返済の場合 毎月119150円ですが、金利優遇無くなると 157528円 となり、1.3倍になってしまいます。
相当大きな差になるので返済は遅れてはいけないです。

まあ、そこは序の口で本当にまずい事態になれば支払いができなくなることもあります。
たいていの場合、ローンの返済の前に、固定資産税の支払いが遅延しだします。またマンションの場合だと管理費修繕費の支払いが遅れだします。
管理修繕費は管理組合さんが事を荒立てたくないせいか、その他の債権で何かあるまではそのままになってることが多いです。

固定資産税はローンと違って抵当権つけていないのもありますが、地方税ですから役所も大ごとにならないほうがいいので、督促状をガンガン送り付けてきますが、すぐにどうこうということはありません。けれどローンの返済で頭がいっぱいなって後回しになっていると、突然「差押」が来ます。
もちろん役所としてはやりたいわけもなく、決められた期限で支払いがなければしなければならないだけです。

役所の「差押」はたいてい物件の価格に比べればわずかですが、この差押が住宅ローンにおける期限の利益を喪失させます。
いくら住宅ローンの返済をきちんとしているとしても、抵当権者(住宅ローンを貸している側)は絶対に譲ってくれない日の丸日本が債権者になったのことで、債券の保全上大きなリスクを抱えることになるからです。
ただ、役所のいいところは支払う意思を見せて分割でもなんでも納税の方法を相談すれば差押まではしないことも多いようですから、納税に関してきつくなったら早めに役所に相談するのが大事です。

住宅ローンの支払いが不幸にしてできなくなるとどうなるかですが、たいていの場合上記の、差押、マンションなら管理費等の滞納もあって、さらにローンも支払えない状況になると、ローン契約の時は親切丁寧だった金融機関も事務的な処理になってきます。
理由は僕なりに考えると、誰しも他人様の住まいを競売したりして貸金を回収する仕事なんて楽しくないってことだと思ってます。
そこには感情はないです。
約定返済を6回滞らせれば、保証会社による代位弁済です。
保証会社は求償債権をもって、競売の申し立てを粛々と行います。裁判所の状況などにこよりますが半年以内くらいには競売になって家を出ていかなければならず、多くの場合個人的には破産して再出発ということになります。
と、書きましたが実はこうなることは少ないです。
時系列で考えればわかるのですが、税金や管理費の滞納から競売迄は1年半以上かかっている場合がほとんどです。
たいていはその間に、状況が回復したり、余力のあるうちにダウンサイジングしたりして事なきを得ます。少し手遅れ気味でも債権者は競売よりも債権回収の歩留まりの良い任意売却となれば協力的です。

携わっているい方にとっては当たり前のことですが、住宅ローンを借りて普通に支払っている多くの方は気にもしていないことなので改めて借りている立場で起こることを時系列で書いてみました。
このコロナショックで状況が大きく変わっても、慌てずしかるべきタイミングで相談をすること、そして厳しいと判断したら行動を起こすことが大事だと思います。
せっかくの住まい、人には必ず執着心が湧きます。バブル崩壊後の自分がそうでした。
行動の遅れはかえって傷を大きくすることがあります。ぜひともご注意ください。

2020/04/21

PAGE TOP
タイトルとURLをコピーしました