「孝明天皇と一会桑」家近良樹

コロナ自粛対策というわけではないけれど、いつもよりは多少時間がとりやすい「雰囲気」です。
本日4月22日現在で緊急事態宣言が出されて2週間ですが、新規感染者が多少落ち着きを見せてはいるものの、マスコミは煽り続けているし、中央の政界でも地方の知事も、まるで名前を売るチャンスだとでも思っているような言動が鼻につき始めていて、自粛疲れというよりはそうした報道につかれている気がしている自宅での日々です。

日本は島国のせいか、自分も含めて驚くほど変化に弱いのだと思います。
危機的状況が発生すると、誰も舵を切ることを避けてしまい、時流の流れ=大勢に任せて漂ってしまいます。文明の衝突でハンチントン先生さえ独自の孤立した文明と位置付けたくらいですからおそらく筋金入りの性質なのでしょう。

隣国で新しい感染症が起きて大騒ぎする中、既定の路線であったとはいえその国に来日大歓迎のメッセージを首相自ら送り、国から出さないと隣国が言い出しても入国を禁止する決定ができぬままずるずる時間を浪費。挙句の果ては来日予定の隣国のトップの来日中止決定後もふんわりとした対応に終始する始末。

なんとなくですが、結核患者がほぼいない状況にもかかわらず、BCG接種をやはりだらだらと継続していたことが僥倖となり重篤者・不幸にしてお亡くなりになる方の割合が諸外国と比して圧倒的に少ない状況が続き、(もちろん現場の医療に携わる方の努力があっての話です)無症状感染者がどんどん増加してだらだらと収束する、そんな将来を感じています。

本書で取り上げている幕末~明治維新の時期は、戦国時代と並んでドラマや小説で取り上げられることが多く、平和な時代割と続いた平安時代とか江戸時代の中頃の統治者=摂関・将軍の個人名はとんと知らないけれど、下級武士という郷士レベルの階層出身の西郷や大久保・坂本龍馬などは知らぬ人はいないと思います。
個人的に言えば、僕は両親とも会津若松の農家出身なので、よく知られた歴史では賊軍側の領主が支配していた土地に縁があるほうです。一応横浜出身といってますが、母の里帰り出産で出生地は会津若松と戸籍にも載ってます。
父は昭和ヒトケタの会津工業学校機械科卒、母はぎりぎり新制会津女子高校卒、出生地会津若松市で、双方とも300年くらい前までさかのぼれる本百姓の出です。したがって幕末期~明治維新さらに言えば現在に至るまでの出来事に関しては、心情的には完全に会津推しなのです。

本書以前にも原田伊織氏の「明治維新という過ち」を読んでエントリに加えましたが、明治維新150年たっても薩長藩閥政治が継続しているような政界の状況では、本当の歴史は特に教科書=初等中等教育では明らかにされないだろうと思ってます。
何も賊軍側だったからではないですが、東京裁判史観は過ちだと騒ぐ人たちはいても戊辰戦争による権力確立に代表される「革新」史観が過ちだと騒ぐ人はほとんどいないことは嘆かわしいと感じています。

とはいえ、原田伊織氏の論に見られるほどには、幕府=旧体制側が優れていたとも思っていませんでした。
一人ひとりの幕僚には相当に優れた人もいただろうし、新政府の礎を築いた中にも幕僚から転じた人物が少なからずいたでしょうが、政権というのは独裁でもない限りは組織であり、組織として優れていたならば体制は崩されなかっとおもっていました。

少なからず驚かされたのは、本書が丹念に事実を追っていく作業の記録であるように思え、その結論として明治新政府の優位が決定したのはかなりの偶然・僥倖によるものとしている点です。
江戸の薩摩藩邸焼き討ちから鳥羽伏見の戦いに至るさなかのわずかなー旧体制側にとっては痛恨のミス・新体制側にとってはありえないような敵失ーによって、その後の大勢が決してしまった、との見方は新鮮でした。

どちらかと言えば、幕藩体制の矛盾・天候等不測の事態への対処の失策あたりから幕藩体制が崩れていく流れに対して、いち早く藩政改革に対応した薩長が果敢に日本全体の利益の最大化のために動き、その中で志士たちが獅子奮迅の働きをして明治維新がなった、との分かりやすく、新政府側にとっては美しい歴史観でもなく、消えてしまった旧体制を賛美するのでもない歴史認識であり、どちらにも正義がありどちらにも人間的ない欲や嫉妬心あるいは復讐の憎悪などがあり、結果として帝国主義的な外圧に対してはぎりぎり及第点で国としては切り抜けたと結論付けているように思われます。

現在の危機は外圧ではなくて、さらに言えば人間ですらない小さなウィルスがもたらしたものです。
時の政権のもたつきぶりは実は属人的なものではなく、我が国の政権を握っている集団・リーダーたちが150年前に、さらには800年前の元との交渉から戦争で、或いは1400年前の半島との戦争でも起きた、固有の思考停止的なものが今もあるのではなかろうか。そんな感想を抱かせる内容でありました。出版は20年ほど前なので知らなかったのは損をしていた気がします。

タイトルに偽り有りなのは、孝明天皇が強烈な攘夷の意向を抱いていたことは繰り返し取り上げられるが、その突然の薨去に関してはほんの1行ほどで通り過ぎている点。
事実で構成するという姿勢では薩長による暗殺などの謀略説は関わりたくないところであろうが、会津推しの立場から見ると現代に続く薩長政治の特質として、中央の権威を笠に着るなどと書き立ててくれれば気分が良かったのだが、残念。
僕は、現政権の皇室への態度はまさに薩長だと思っているのだが。

2020/04/22

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