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「未来の年表2 人口減少日本であなたに起きること」    河合 雅司

河合氏の著作という意味では順不同になったしまった。
未来の年表で人口減少時代の社会現象を提示して見せたのが当時新鮮だった。
こうして、ご自身で分かっているから書いたのだろうが「二匹目のドジョウ」にもなっていない本を出されたのやや残念な気がする。
講談社サイトで見れば合本版まであるので(読んでいない)第1部第2部というべきか。

それでも卑近かつ明らかに創作された実例で分かりやすく、人口減少問題を取り上げ、縮小しつつエネルギーを低下しない方策を検討し実践すべきだという主張は同意できる。

逆にあまりに漫画的な表現で身近な変化を描いてしまったことで正常化バイアスがはたらき、危機感を謳う著者がどこかずれているのではないか?という印象になっている気もした。

具体的な行動指針の提案も陳腐でいまさら感が強いものばかりであった。

おそらくこれは著者の問題というより編集者・出版社の問題なのだろう。
まるで昔の「大予言」シリーズのようだ。

せっかく重要な問題に、絵空事ではなく取り組む危機感ある態度も、版を重ねて希薄化してお経のようになっている。
残念な本だった。

2020/07/31

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