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「明治維新の正体」鈴木壮一著

あとがき迄読んで趣旨がわかるという点では何なの?と思う構成だったが、なかなか面白かった。
坂本龍馬は死の商人グラバーの単なる代理というか小間使い。彼がやったといわれる薩長同盟の背景も、武器とコメの三角貿易のための銭目的だったという観点は他の著者・出版物でも見たことがある内容ではあるが、取り上げ方が絶妙で小物感をより鮮明に感じさせてなかなかのものである。

徳川慶喜をやたらと持ち上げているのは何なのか、途中ではなかなかわからないが水戸学大絶賛なのでその文脈を後でたどると著者の思惑が感じられる。

西郷隆盛は極悪人のような書きぶり、井伊大老は名宰相ととらえられているのもなんとも好ましい。

世間一般で大西郷とか、英雄的にみられている坂本龍馬もボロクソにとらえられており、会津出身者の末裔としては痛快。

それにしてもやはり明治維新の一大転機は孝明天皇の崩御にあるのは間違いなさそう。
実行犯は岩倉具視と言われているが、西郷の思惑じゃねえかと強く感じる。

長州の立ち位置の変化をもたらした志士と呼ばれる連中の考えていたさもしさが、明治以降この国の政治の底辺にずっと沈殿し続けているのだろうか?
現代の薩長の末裔は、その自覚すらないような間抜け・馬鹿殿なので取り巻きには、よりさもしい輩ばかりになるのだろう。

150年もたって歴史の見直しがなされないのは今もその権力が継続しているからだと思うし、そろそろきちんとした評価しておかないといけないのではないか、そう思わせる内容でありました。

2020/01/15

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