「昭和16年夏の敗戦」 猪瀬直樹

今更だけど読んでみた。

猪瀬氏の文体ってフィクションなのかノンフィクションなのかよくわからないところが面白みだと本人は思っているのかもしれんと、デジャブのような読後感。
本を買わないと決めて暮らしているので(くだらない見るだけで目が良くなるとか、痛みが消えるとかは買ってるので徹底してない)40円で売っている文庫本をずいぶん待って読んだ。
いつも通りなんで読もうと思ったのかきっかけすら忘れてる。

史実を語るときにはどうしても著者の立ち位置が透けてくるはずなのだが、本書ではよく見えない。

主題がわかりにくいのだ。
描きたかったのは何なのだろうか、よくわからない。

描かれているのは日米開戦直前の「総力戦研究所」という政府機関にまつわる出来事とくくることはできる。
しかし総力戦研究所のあり方、または研究生や所員、を評価しようとしているのでもない。
帝国憲法下の統帥権問題でもなかれば、天皇制でもない。
ルーズベルトの戦略でもなければ東京裁判でもない。
まして東条英機を再評価しているわけではないだろう。

もしかすると、聖徳太子以来の「和をもって貴し」的意思決定に主体のない日本のあり方が主たるモチーフなのかもしれない。

確かに世界では通用しないかもしれない「暗黙の了解」みたいなものは我々の中にあって、それはそれで何とかしとかないと国際社会と付き合う以上まずいだろう。
今も出る杭は打たれるし、郷に入っては郷に従えが「暗黙の了解」なのは変わらないし、だれが決めたのか首謀者なのかはっきりさせずに済ませるのが、大人なのだ。
猪瀬氏は都知事ではグダグダになったけど結局そういうことなのだ。
あんたは東條英機じゃねえか?
本書で描かれる東條は天皇には忠臣であろうとして煩悶しているが、猪瀬氏は何に対して忠誠を尽くそうとしたのだろう。

本書を読んでもリーダーシップのためには何の役にも立たない。
当事者たちが当時、何を間違っていたのかもわからない。
たった90年で縄文弥生と培ってきた心象景色が変わるわけでもないだろうことに気づいていないのかあえて触れていないのか。
そうしたスタンスでの近現代の語り部の本なのだろう。

2021/02/17

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