緊急出版あるあるで、時事ネタだと過去の原稿をまとめてこねて出版するのは、ある面では便利だし参考になるケースも多い。
本書の特徴は、まさに緊急で出版した時点直近の部分は第6章のみのようであり、そこはなぜか池田大作礼賛の章になっているというまあ潮出版だし仕方ねえかという点であります。
ほとんどの内容はクリミア併合前のことであり、そこに至る流れについての一つの視座としてまとめられているという意味では手軽だしいいかもなという感じ。
鈴木宗男氏や森喜朗氏などが持ち上げられていて、老いそうなのか?ってとこもあってなかなかよろしい。
ロシアのウクライナ侵攻は国際法に触れているという点は初出の時から一貫してるんだろうかなどと想像するのも一興。トッド先生も引っ張り出されていてフランスの立ち位置がヒトラーは覚えてるけどナポレオンはもう歴史の彼方みたいに斜に構えた感じが以心伝心というか同じ穴の狢みたいでうれしい。
プーチンに関しての分析は面白かった。
ロシアの織田信長なんだろうかとか思った。著者が神学者だとは知らなかったが。北方領土に関して触れているのは、プーチン分析のためなのか、幇間として役割を果たす義務感からなのかよくはわからないがなんか既視感のある内容ではありましたけれどね。
そもそも時事ネタの親書は出版されて1年経って読んでも仕方がない部分はある。
出版社や著者の思惑もあるのだろうけれど、緊急出版で中身に感心したことないものな。
情勢をしる契機になる可能性が最大のセールスポイントで、戦争継続で1年以上たつと鮮度落ちてるし、より詳細な分析の本も出てるしではあります。
タイムイズマネーですね。
☆0.5