『ブルシット・ジョブ──クソどうでもいい仕事の理論』(酒井隆史・芳賀達彦・森田和樹訳) デヴィッド・グレーバー 

世情に疎いので、著者デヴィッド・グレーバーがどの程度有名なのかも知らずに、何かのきっかけで読むことにした本。きっかけは例によって覚えてない。

翻訳本のためなのか、原著がそうなのかはわからないが、読みにくいことこの上ない。
フィールドワークの聞き取り結果が、次々登場しながら、著者自身の見解が開示されていく印象。
登場人物のプロフィールが箇条書きのようになっていないし、そもそも著者の見解が、普段の僕には泣かなつかめなくて、悪戦苦闘して読了。

読んでいる途中で、この前読んだ、「『人新生』の資本論」 斎藤幸平 となんとなく共通した何かなんだなとか思った。後者はマルキストでグレーバーはアナキストなんだ。
浅薄な知識しか持ち合わせないので、どちらも資本主義の終焉を予測しているような気はする。その予測が当たるか当たらぬか知らないし、わかるのがいつのことかわからない。(なんのこっちゃ)
「欲望の民主主義」丸山俊一+NHK「欲望の民主主義」制作班 あたりでも取り上げている資本主義の曲がり角というか止揚というかそんなところなんだろうか。

資本主義の「99%」世界に生きる身としては浮上するすべもないのだけれど、資本主義の成熟が爛熟に変化しつつあったときに、大きな戦争で棚上げにして、その後に力でモノから資本を引き離したことからの必然かもしれない。
文脈として、現在のウクライナ・中東・BRICSの問題も延長線上の話なのかもしれない。

生まれて・食べて・繁殖して・死んでいくは
ヒトも生き物であり、足るを知るべきなのだろうが、簡単じゃない。それはなぜか?ってことなんだろうな。
まあ、きっかけはともかく出力が似たような地平の書物にあたっているってことは、ぼんやり自分もそう思っているということか。
グレーバーに関しては「負債論」読んでみるとする。

☆3

アイキャッチの著者肖像 Guido van Nispen from amsterdam, the netherlands – L1002769, CC 表示 2.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=60143422による

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