
ずいぶん前の出版物(2014年)で著者の名前も知らなかったが、図書館でなんだろ?と思って借りてきてびっくり、面白くて一気に読んだ。字も大きしい老眼にも優しく、内容もスカスカなので読みやすいのだ。
何している人かよく知らんけど、奥付当たりみるとつく大医学部卒でクリニック経営者とのこと、普通にインテリである。
本書の教えに従って少しだけ調べると、最近は選挙にも出て政治家だったりするようだ。本書内で医者だが治療はしない主義だとのことでよくわからない。治療しない病院で診療費とってたら論理破綻してねえかとは思った。
病院のサイトには予約したら3万円は来ても来なくてもかかるとな。よく考えて予約せよとあるが、どういう意味かよくわからない。
本書では医・食・政治・メディア・教育と多岐にわたる著者の考えが「グーミン」である読書に向けて表明されているのかと思ったら、そうでもない。
自分で調べろとのことである。
僕は借りたからいいけど、本を購入した読者を愚民と呼び(本書内では「グーミン」、本人は「ウツミン」と自称しているようなので、言葉通り子ども心があるのだろう)罵倒し続けるサディスティックな内容が最初から最後まで続く。金出したユーザーを罵倒しているのは不思議だが、10刷もしているということは罵倒されたいユーザーがたくさんいるということなんだろう。
世の中はすべて「彼ら」が計画しているもので、グーミンはそれも知らずに生きていると著者は訴える。
食料では遺伝子組み換え、グリサホート、F1種子など、金のために「彼ら」の手下のそれも係長クラスのモンサントあたりが仕組んでいる。
あらゆるワクチンは効果がないし、薬はすべて毒である。血液の中には細胞よりはるかに小さいソマチッドという生命体があって、波動により活性化するという医療に注目しているらしい。
政治家はすべ「彼ら」の奴隷みたいなもので、メディアもすべて「彼ら」が意図したように動いているらしい。「彼ら」は金が目的ではないサタニストだが、やってることは金儲けみたいに感じたのは僕が愚民だからだろう。
で、結局「彼ら」の正体は何も語られないし、自分で調べて考えるらしい。秘密は明かされない。
秘密を知りたくて本書を買ってはいけないのだ。
そもそもそんなことで秘密のことを知ることができると思うのが愚民なのだという、グルグル回る出口のない迷路が本書の内容である。
離れてみると単なるお化け屋敷なんだが。
竹内文書やユダヤ議定書も登場するが、彼は虚無主義者なので信じていないようだ。
すべては愚民である読者が自分で調べて陣で判断すべきだが、愚民である読者にはそんなことはできはしないぜって内容である。
さっぱりわからん。
各章の終わりになぜかニーチェが登場するのだが、虚無主義者であるということを言いたいのかもしれない。
「彼ら」がだれなのかは全く記載がない、ヒントは上級であるということで、アメリカ大統領も日本の総理大臣も、「彼ら」の前では丁稚に過ぎないレベルらしい。
著者はユダヤ議定書の原本の写しを持っている人を知っているという。写し?まあいいか。
また各宗派の信仰者も知っているという。知っているレベルなら俺でも知っている人はかなりいるよと突っ込みたくなるが、そんなことはお構いなしである。
著者は何も信じていないが、妻をめとり子を成した。その子供のためには何かしなくてはいけないと感じているらしい。殊勝である。たいていの人はそうだけど。
著者は陰謀論とは縁がないという、「策謀」はあるらしい。
本書を読んでも何の役にも立たないが、ひょっとすると不安になるかもしれない。
さて、それがもし著者の策謀であるとしたらどうだろう。X(旧ツイッター)でもフォロアー23万人、その他選挙も出るし講演会もやっているし、クリニックも繁盛しているようである。
とある政党のリーダーとも相通じる、ビジネスセンスみたいなもの感じてしまうのも僕が愚民だからだろう。
こんなところにびビタ一文使いたくはないけれど。
今の世の中知るには興味深いと感じたのは事実。調べるのはインターネットらしい。さもありなん。
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