
「住宅ローン、金利上昇リスクに違い 固定型と変動型」(日本経済新聞WEB版記事)
読んで少し食い足りないというか、金利上昇リスクって見出しのわりに借り手側のリスク説明が足りないように感じた。
図にまとめてあるのだけれど、金利上がると変動金利は借り手がリスク負って、固定金利は貸し手がリスク負う、ということでまとめてしまってるのだが、これでは何が本当のリスクなのわからないだろうと思った。
現在金利の選択肢は3つ。
① 全期間固定金利
② 変動金利
③ 固定金利特約付き変動金利 となっているけれど①の全期間固定金利の代表は住宅金融支援機構のフラット35、その他金融機関でも全期間固定金利はあるけれど、フラット35とは仕組みが異なるから金利水準も結構違う。
フラット35は住宅ローン債権の証券化だから金利変動のリスクは投資家が負うため、比較的金利は安い。
銀行の全期間固定金利は確かに銀行(というか保証会社)がリスク取るから一般的に現在は変動金利より金利は高め。その意味では当初金利が高いリスクを借り手が負ってる。この点記事ではちゃんと触れてない。(自明だからかな)
とはいえ、金利が上がった場合、その金利上昇分どちらの負担ってのは、そもそも成り立たない議論なんだよね。金利上がったときに損するような貸出してくれるほど銀行甘くないでしょうよって話です。
そもそも全期間固定金利35年と言ってもそんなに長く借りてないと思いますよ。
新築分譲マンションや新築分譲住宅でも分譲系の住宅の場合で、感覚的には3割くらいは10年後そこにいないから。
転勤や手狭になったとか状況は様々だろうけど。
そうした人は賃貸には戻らないので結局借換えたりしてるからその時の金利になるわけ。
銀行はそのあたりきちんとみて金利水準決めてると感じます。(なんかりそなは安いな~)
銀行への注意とか同情は、ユーザーから見ればどうでもいいわけで、今のように固定金利で安く借りられればそれに越したことはないので、今は、銀行のリスクを排除した金利=変動金利の場合のリスクを考えておけばいいのであります。
変動金利のリスクは、金利が変わっても返済額は5年間は基本的に変わらないところ。
返済額が安定するからユーザビリティいいよねって話ではないのです。金利が下がったらいいのですが今そんな状況じゃない。
金利が上がってほんとは支払額増加してるはずなのに同じ額しか払ってないというリスクです。
毎月の返済が全部金利になると、未払い金利という上乗せがついていきます。
6年目からその分の金利も元本に組み込んで再計算しますから面白くないことになります。
1.25倍以上にならないから安心ってなってますが、そんなこともないのでこれが最大のリスク。
金利がずっと上がり続けたら・・・最後にまとめて一括で返してねって決まってます。
大昔は金利上がると給料も上がるはずだから負担率一緒なんて説明してたけど、ライフプラン上、住宅以外の負担は変動するので住宅の負担率が変わらくても、その感じる重たさは変わるのであります。
毎月返済してるのに増えていくローン残高は精神衛生上よくないです。繰り上げ返済なりしてストレスかかええないようにしないといけません。
固定金利特約付き変動金利のリスクは固定期間終了時、返済額に1.25倍のキャップがないこと。
固定金利特約付き変動金利は、約定した期間は固定金利で返済しますから、返済しているのに元本増えてるみたいなことは起きません。その代わり固定金利期間が終わるとその時の元本と残存期間・金利で再計算した返済額がそれまでの何倍になろうがキャップは無いということです。
金利が急上昇した時は固定特約つけといてよかった┐(´∀`)┌となるわけですが、特約期間終了時には青ざめる可能性もあります。住宅ローンの支払額がいきなり1.5倍とかなったら厳しいのが普通かと思います。
変動金利で借り入れスタートするとたいていの金融機関は特約で固定期間の設定が、申し出の翌月から可能です。
当初借入金利が低い方が同じ返済額なら元本が早く減りますから、今は変動でもいいと思います。
但し資金計画立てるときは、フラット35の金利位を目安に計算して、実際の返済額と全期間固定金利との差額は、貯蓄なり運用しておくつもりで進めておかないと、金利が上がった=返済が増加してしんどいってことになります。
金利上昇時はインフレ傾向にある場合が多いですし、日本の人口減少考えれば、長期的には金利が上がっても収入も増加していくとは思いますが、変動金利の場合は5年に一度、固定特約の場合は固定期間終了毎に事前の検討が必要なのこと、これが最大のリスクだと思っております。
住宅購入で一番大切なのは物件なのでありますが、その前に考えておかないといけないことがあり、手抜きするとカモにされちゃいますよって話。最安の支払いで説明されたらほかの場合も確認したほうがいいですよってこと。
団信についても言いたいことあるけどそれはまた別の機会に。
2022/04/01
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