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「第三次世界大戦はもう始まっている」 エマニュエル・トッド

毎度周回遅れの時事ネタの読書であります。
図書館で予約してもなかなか回ってこないのは仕方がない。本はそれでも極力買わない方針変えないそ。
周回遅れで読むといいこともある。近未来の予測を含んだ本は結果が出てたりする。ノストラダムスの大予言にも起きなかったよね?みたいな話である。(本書が類似のものであるというのではないが)

で、トッド氏であります。
日本では受けがよくて本国ではダメと本人おっしゃってますが、どうなんでしょうね。
フランスのことはわからない。
折しもお国の大統領がプーチンならぬプーさんにすり寄って、欧州には欧州の矜持があるとでも言いたげなふるまいをなさっているときでもあり、プライドの高さが感じられて親近感わきます。

産経新聞

氏の出版物は新書でしか読んでないのでよくわからんけど、インタビューをまとめたものだったし今回もそうだ。これ著作とは言えないので時事放談みたいなものなんだろうと思う。

フランスにとっては恐らくロシアは現時点では遠いのだろうなというのを一番感じた。
ドイツのようにロシアと併存していこう、いやしなくちゃだめだみたいな悲壮感は持てないのだろう。
東部戦線の悲惨さを先日読んだとこなので(「独ソ戦 絶滅戦争の惨禍」 大木毅)、かの国にとってはナポレオン遠征の時代の話(そんなに前でもないけど)でもうあまり関わりたくないので原子力ポーン、我が国も核は保有してますポーン的な感覚かもしれん。

家族構成の知見からロシア的なあるいは漢民族的な共同体のありよう、方向性とアングロサクソン的な共同体のありようについて語っているように思えた。
それはそれで面白いのだが、ウクライナ西と中央と東でそれぞれだよね、だから解体するのはやむなしとも語っているようで、仕方ないよな~という感想なのね、と今流されている血にはあまり興味ないのかなと感じてしまった。

おそらく南欧の感覚でスラブ人同士の内輪もめ勝手にしてくれ、うちらに迷惑かからないように、というのとアングロサクソンはどうしようもねえな、みたいな感覚をお持ちなのかもしれない。
何度も繰り返す、COVID19からの隠遁やソ連崩壊の人口問題分析からの予言の成就含めて、だから次そうすればいいの?という思考にはあまり役に立ちそうもない。

僕たちが一様ととらえがちな欧州も、いろいろで多様であり、受け止め方も国や人によって異なっているということを改めて気づかせてくれるかもしれない。
同様に米英主体の動き、あるいはウクライナ国内の動きも報道されるのは一面でしかなく、事実を把握していくには複眼的なポジションが常に必要だよね~と再認識するくらいの役には立ちそうでありました。

メディアが瀕死の国ではこういう刺激が受けるのかもしれん。
☆1

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