不動産市況考察 2020年10月

レインズの2Qのサマリーが出ています。
COVID19の影響をまともに受けて取引そのものが成立しにくい状況を脱したとしても、景気の先行き踏まえれば価格は頭打ち、ないしは下落に向かうと予想していましたが、中古市況に関して言えばある意味「絶好調」ともいえる結果に驚愕しています。
住居系以外の取引にもこの時期関わりましたが、大変厳しいまなざしでプロが動いて、小さなテナントビルやレジ向けの土地仕入れ価格など、厳しかったことを考えると、住居系の価格の動きの要因を考えておくことがh実用なように思います。

首都圏全般でマンションの単価が上昇、しかも前年比でみるとかなり大幅な上昇です。

レインズ マーケットサマリーより

これは戸建てでも同様、物件の面積の拡大以上に価格が上昇となったようです。

レインズ マーケットサマリーより

現在は新築マンションの業務に携わっているので、新築物件の建築費上昇に伴う価格上昇と、供給の抑制により中古物件も上昇したとみるのが目先妥当かと思っています。
とはいえ、各企業の業績の悪化や、飲食・旅行・小売りなどの各業界の業績の悪化を考えると、個人の住宅取得意欲の低下が感じられないのは、ある意味疑問です。

つまり、今回のCOVID19による影響は、
① 当面勤務先実績に影響が出ていないセクションと、壊滅的な影響を受けているセクションが世の中に存在していること。
② 各国政府の財政出動が異常な量で資金を供給しており、貨幣価値の下落懸念=インフレ懸念が市場に見られること。
③ 日本では欧米のような直接の大規模な被害が出ていないこと。
など補助線的な要因をもたらしているうえに
① 在宅勤務が可能であり、かつ移動時間の短縮で通勤するよりも場合によっては効率的な通信環境が成立してきており、住宅において居住スペースに加えてワーキングスペースが必要となったこと。
② 今のところ景気悪化につながるような大きな金融問題が顕在化していにこと。
により、住宅に対する潜在的な需要が表面化し、かつマインドを冷やす要因は顕在化していない状況を生んでいると思えます。

政権内において、リーダーの交代があったものの、基本的には前政権の路線踏襲を宣言しているという安心感も需要を後押ししているとは感じるものの、世界のCOVID19による被害状況はまだ出口が全く見えていないし、アメリカの政権交代があるのか、中国のプレゼンス増大がどのように地政学的影響を日本にもたらすかなど、不透明な要因が多すぎて先行きは全く予想がつかないというのが本音です。

日本のインフレ率の長期にわたる低迷は、国際的に見た住宅価格、不動産価格の割安感、物価の低さ、を強くしていることは、今後海外からの移住者にとっては魅力的に見えるのかもしれないなどと考えていましたが、COVID19による移動の困難さが、翻って住宅価格の上昇につながるとすれば皮肉な現象ではあります。

日本の経済がどのようになっていくのか、長期にわたる融資を利用して購入する方が多いわけですから、視座を広げて検討していかなければならない状況がより強くなったと考えています。

2020/11/04

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