今年も間もなく終わりで少し短めの休暇に入る人も多いのではなかろうか。
報道など見ていると一部高額商品の福袋が用意されたりして、あたかも平成元年ころのような景気を彷彿とさせるような気もする。
自分の場合平成バブル景気のころは埼玉のかなり北部で仕事していて、都内の同期の景気のいい話聞いたり、お客さんが妙に資金に余裕があったりという他はさして浮かれた雰囲気ではなかった。
そもそもバブル期の象徴のように繰り返されるジュリアナ東京の映像だって、バブル崩壊後の平成3年オープンなのに、世の中みんなあんな感じだったなどと思ってはいけない。
今と違うのはおそらく、株高で各企業「プロフィットセンター」とか怪しげな部署つくって、お金を回して利益あげようとしまくっていたということかと思う。
今は総叩きに会うぐらい内部留保ためているが、あのころのこと考えれば有効で安全な投資(設備投資含めて)がなければ経営者は二の足踏むのは当たり前。
安倍ソーリも5年と最長不倒に近づく長期政権だが、無為無策という意味では「手堅い」運営なのかもしれない。
自分なりに解釈してるアベノミクスは
① お金を印刷機ぐるぐる回して供給量増やす
② 財政赤字とか将来世代の負担とかあまり考えず財政支出する
③ 物価が上がって、賃金上がって成長すれば金利も上がっていくだろうから国の借金も目減りし
国も大丈夫企業も国民も大丈夫になるよねっ!(たぶん)
という住宅ローンも抱えたことなし、教育費の心配もしたことなし、たぶんダイソーで買い物したこともないお坊ちゃまがパンがなければケーキを食べればいいじゃんて的なノリでやってること。
よく言えばその程度のことではこの国は5年間沈没しなかった。悪く言えば民草に何の影響も与えておらず殿様がギャーギャーわめいてるけれど家中は蓄財に励んで崩壊に備えてる状態と思ってる。
勿論、不動産価格や仮想通貨やらでぼろもうけした人もいるだろうけれど、そもそも円が40パーセント位値下がりしてるんだからドル建てで考えれば何も変わっちゃいないんじゃないかな。
本当に必要なことは、古い考えでも有効需要の減少(消費する世代の人口減ってるんだから内需拡大は無理)にどう対処するかという課題であって、せっかく水膨れした財政支出は企業では内部留保になり、家計では老人の使わない預金になってる。
象徴的なのは振り込め詐欺。余ってるところがよくわかってるから犯罪者が狙う。
おそらく今の政治家にはできないだろうけれど、
① 選挙制度の根本的改革(1票の価値の完全な平等化・世襲の完全禁止など)
② 幕藩体制から続く地方の再編(いまだに薩長政治なのはこれも要因)
③ 公務員制度の徹底的見直し(公務員の終身雇用制度の解体:仕事が人を必要とする仕組み化)
など、明治維新からあまり変わっていない国のスキームを変革していなければ、戦後新しく体制を整えた新しい国や地域に淘汰されていくのはむしろ自然な成り行き。
変わらないということは、美しいし大変なことで、日本にはそれを貴ぶ風土がある。
それ自体はよいことと思うけれど、そのことにこだわるなら江戸時代位の暮らしに甘んじて享受するくらいの覚悟が必要だろう。
明治維新から150年、その体制の半ばで当時の世界標準にコテンパンにやられて手法は変えたけれど基本線は変わってないことが問題なのではなかろうか。
2017-12-28