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「欧州戦争としてのウクライナ侵攻」 鶴岡路人

すっかりおなじみの顔になった鶴岡氏の書籍。
クリミア侵攻くらいからの文章をまとめて加筆、直近の情勢分析いれて出版された内容でありました。

普段目にするニュースは大きな出来事に関してが中心なので、点と点になりがちだが、専門家が連続して観察し、リアルタイムで発信していたものをまとめて読むと、線がつながって腑に落ちるところがあって、参考になった。

そりゃそうなのだろうが、立ち位置としては西欧の体制がとりあえず善として書かれているのではあるが、必ずしもそれが「正しい」とは考えてはいない気がした。
ロシアにはロシアの伝統もあるし、歴史的な経緯もあることも視野に入っていて、そのうえでクリミア侵攻以降の現実の行為は、現在の世界標準では間違った判断との認識なのだろう。
まあ公平な視線だと感じた。

アフガニスタンにおけるNATO内部、欧州とアメリカの関係性などはニュースではほぼ触れられないところだと思ったし、今回のロシアの侵攻との関係、NATOの対応、NATO内部の温度差など少し理解できたように思うし、門外漢のコメンテーターや軍事の専門家と少し異なる視点を提供してくれているという意味でよかったと思う。

ロシア対NATOに関して分析・検討を十分に検討したとも思えない、米国追従型の政治判断で本当に大丈夫なのだろうか?などとも考えさせられるものがある。
修羅場くぐってない世襲政治家に任せておいてはダメなのだろう。

☆3
※著者の写真はWikipediaより

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