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「チェ・ゲバラとキューバ革命」 内藤陽介

えにし書房

アイキャッチは著者Twitterでの固定ツイート 内藤総研の案内からお借りしてます。

内藤陽介氏の著作は「みんな大好陰謀論」読んでから半年で2冊目であります。
本書はゲバラの伝記といえばそうなのだが、「ポスタルメディアで読み解く」という副題の通り、図表はほぼすべて切手かはがき・封書というとんでもない本であります。

著者のゲバラに対する評価は「カストロとの関係性の中で殉教者として死んだよ。いいか悪いか知らんけど。」と要約すれば1行で済みそうとか思えるほどあっけない。というかゲバラの足跡はたどって、その時々の理由というか、ゲバラの意志については考察するものの、著者として善悪・好き嫌いの判断はほぼしていない気がする。

そして「みんな大好陰謀論」の読書録でも書いたが著者の博識ぶりというか事実確認に手間を惜しまないというか、細部へのこだわりというか、ざっくり感性で判断してSNSなどで数語で発信するのを多く見る今日希少性を感じる。
南米・アフリカの人名や各国の20世紀での激動を淡々と記されていて、飽きるかというとそんなことはないのは不思議であった。
おそらくビジュアル資料が切手・郵便物という視点のせいだろう。

正直読んでいくうちに「何なのこの著者は」と感じさせられるのがポイントんだろう。
不思議な魅力のある本でありました。

書くのにも相当時間を要したと著者も触れているが、読むのもそれなりに時間はかかる。
ゲバラの本ではあるものの、著者に興味惹かれるという珍しいパターンであります。

本を読む楽しさみたいなもの感じさせられた。☆4

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