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「バカとは何か」   和田秀樹

アイキャッチは著者のホームページ・略歴のものです。

幻冬舎

随分以前に、ブックオフで100円になっているから睡眠薬代わりに買う新書本の中の一冊。
新書というのは新しくないと定価で買う意味はないので新書というのかと思っているが(違います)中にはそこそこあたりがあるのであります。

著者のことはこの本読むまで知らんかったが、同世代のヒトであります。
東大理Ⅲに進学したたった一人の知ってる人間と多分同期みたい。普通の家庭に育った人のようでありますが、リコウだったようで最難関の大学に進んで面白いことをやってる人のようです。

ベッドの中で何回か読んでいるのだが、寝てしまうのでなかなか読了しないという点と、どこから読んでもなんとなく違和感はないという点が特に優れた本であります。
著者から見るとたいていの人はバカに見えて当然の立ち位置で、じゃあバカとは何か?を真面目に論じているところがユニークなのだ。リコウには「バカ」は本当は理解できないのだよ。

精神科の医師でありつつ、受験業界の権威でもある著者は、どっから見てもリコウなはずだが、自分の中にも患者の中にも(!)「バカ」とカテゴライズできるものがあると述べている。いやカテゴライズしてるのは著者ですけどね。医師が患者のある状態を「バカ」とするのは不謹慎な気もするが、ちゃんと読めば、やり方次第で治ったり・改善されるものを「バカ」な状態としているのであるから、別に問題ないだろう。死ななきゃ治らないバカは本書では残念ながら「バカ」に仲間に入れてもらえない。

僕の場合、自分でも「バカ」なことばかりしているのであるが、そのことでさほど困っているわけではない。まあうまく行ってるとも思ってはいないけれど。
世渡りうまくいくことが「リコウ」でそのために著者の知見で説明するとこんな方法あるし、できるだけ「リコウ」で行けるように治せる「バカ」は直したほうがいい、そんな人生観で生きてますけど何か?というのが本書の趣旨のようである。

僕も年がら年中、他人様、特に政治家・著名人はバカとカテゴライズしているが、なんでそういう気持ちになるかは本書は整理してくれる。勉強できるとか仕事できるとかできないというのと、少し違う意味が「バカ」にはあるということか。ねじがバカになる、が一番しっくりくる。
言い直せば「使えん」だろう。

専門知識や経験があっても「バカ」になる時、やる時はある。著名人や政治家であれば目立つが、われわれ凡人は目立たないだけ。我々凡人の場合はそのことによる不利益は限定された範疇でしか害がないのだが、著名人・特に政治家は重大な損害を広範にもたらす可能性があることが違いだろう。
どうもメディアはその辺関係なく「バカ」やってるのを面白おかしく伝えるばかりで、峻別してないように思う。

「バカ」なことやったなってときは、たまには真面目に「バカ」とは何か考えてみるのもいいかもしれない。本書自体は個人的にはプラグマティックに過ぎるような気もする内容ではありますが。
そんな「バカ」な!ってのが面白いんだよね。

☆2

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