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「世界はいつでも不安定」 内藤陽介

アイキャッチは著者のX(旧ツイッター)のプロフィールです。

このところ続けて内藤陽介氏の著作であります。
著者の人となりはよく知らないまま読んでいるのだが、とにかく博識というかよく調べていると感心する。(その分著者の責任とは関係ない誤植がたまにあって一人で悦に入ってる)
世の中に論破王とかいるけれど、この人論破するのは大変だろうと思う。

本書ではやはりサウジアラビアに関する記述は秀逸だった。
「中東のガン」と言い切っているところがさわやかでさえある。そんなこと言ってる新聞雑誌ないものね。国の成り立ちから、現在までどうしようもなさがしっかり伝わってきた。
とはいえ金はあるので、最近某切り込み隊長が書いたフレーズがぴったりだと思い返した。

しかしこの馬鹿は金に物を言わせて力まで持っている(ハリボテ?かもしれんが)ところが悩ましい。
サウジのだめっぷりと対照的にイランの位置づけもマスコミに取り上げられない見方を紹介してくれている。イランはアラブじゃないしアラブから見てイランは脅威というのが通常の報道では欠落しているのだなと思った。
中東とひとくくりにしてるがグタグタなんだとわかりやすい。

サッチャーについても外交音痴ってのはそう思っていなかった。確かに国内の立て直しはある意味成果を出したけど外交面ではフォークランド戦争のほかは印象にない。その後のかの国の流れを考えるうえで功罪わきまえておかないと見誤りそうであります。

トランプに関する見立ても正鵠を射ている感じだ。
ただの暴走ダンプカーみたいであればそこまで支持されないだろうとは思っていたが、マスコミの報道だけではわからないもの。
今回は刑事訴追を受けながらの選挙で暴走に輪がかかりそうなので前任のときのようには行かない気がするのでできれば当選してほしくない。かといってバイデンは年取りすぎてるし途中で万が一の時に今の副大統領は明らかに力量不足。どうでもいいが政治家は健康であってほしい。

トルコ・ロシアあたりは現在進行形で確かにそうっだたのかおじさんとかのはんっし聴いてるといかんよねという内容である。あってるかどうかは知らんけど。

本書ではいつもの郵便資料はあまりないようで、著者の主張のエビデンスはあまり提示されていない。
著者の見方立ち位置は他の著書を読んでみて判断ということになるだろうかな。

☆3

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