PR

「ウクライナ戦争」 小泉悠

筑摩書房

アイキャッチは筑摩書房の本書のページのものです。

テレビニュース等で見ない日がないくらい引っ張りだこの著者の2022年秋の本。
略歴見れば同窓で、雄弁会IT元総理が黒歴史を生産中なのは恥ずかしいななどと妄想してから読んだ。

残念なことに戦争はまだ終わらず、インターネットには何が事実かよくわからない情報があふれかえっている状況が続いている。
スマートフォンと情報共有のためのプラットフォームが整備されたことにより、ネット環境さえあれば、だれでもどこでも放送局・新聞社のように活動でき、動画の加工さえ簡単にできてしまう時代なので本当のことがかえってわかりにくいというのはありそうだ。

著者はロシアの軍事研究の専門家であって、本書もその線を逸脱していないという点は評価されていいのではないかと読後感じた。逆にロシアとウクライナの歴史的な関係に関しては本書はあまり触れていない。プーチンが「今回」このような行動に及んだ目と手法に関しての分析と思って読むべきなのだろう。
以前読んだ 下斗米伸夫 「宗教・地政学から読むロシア 」 などと異なり歴史的な両国の関係性などは深堀しない立ち位置を保っていると思う。

今後どうなるかは全く予断許さない状況で、上梓されて以降すでに1年が経過して戦局も世界の情勢も変化している。中印ロは同舟異夢というより呉越同舟の間柄なのだろう。
日本は島国で人と文化の吹き溜まり大陸国家の思考回路は理解できないのかもしれない。

本書は途中とはなるけれど、起きていることの解説としては参考になった。
軍事的にプーチンの初期の考えとウクライナの備え、また突然始まったわけでもなく2014年のクリミア侵攻からの流れなども頭に入れるのはちょうどいいボリュームだ。

しかし経歴面白い人、朝ドラ「らんまん」の主人公のようだ。ワセダマン的であります。今後も著者の情報発信には期待したい。

☆3

PAGE TOP
タイトルとURLをコピーしました