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「陰謀論とニセ科学」 左巻 健男

アイキャッチの肖像は著者ブログのものです。

最近、陰謀論とはなにか?みたいな気持ちになっていてその手の本を思いつくまま借りて読んでる。
「陰謀論」といっても陰謀について論じている本には今のところ本書を含めてない。
ユダヤ陰謀とかディープステート陰謀とか、巷でいろいろ聞くけれど、僕の印象としてそんな秘密のことがインターネットで流布してる時点で陰謀じゃねえだろうとは思ってる。
直近であればCOVID19に関しての発生原因にもワクチンにも陰謀が隠されている的な言説がだらだら流れていて、妙な感じで信じてる人がいることが見られる。

本書の著者がどんな人かはよく知らない。
どうも理科の先生だった人で、ニセ科学否定で生きている人のようである。
本書では、陰謀が存在するとされる事柄を科学で論破していくという手法でそんなものはないのだという立ち位置のように感じた。

ペーパーバックだからいいんだけど、陰謀があると信じる人は科学のリテラシー低いんで気をつけなさいよ、みたいな内容で陰謀の中身は掘り下げてない。
で、陰謀的な何か、つまり人々がそう感じる何かについては、リテラシーが低いゆえに秘密を知っているということでの優越感が原因と片付けている(と僕は感じた)。

隔靴掻痒、そこじゃないんだよという気持ちである。
一覧的に色々出して、それは科学的におかしいって言われても、なぜ人は信じたり行動したりするのか?また現在の知見でおかしなことも何かしらの真実が混在している可能性は常に否定しきれないのが人間じゃないか、という考えもわいてくる。

今量子力学的な知見が少しずつ拡大してきて、時間と空間と我々の存在の関係性に関して、これまでの常識の変更が必要かもしれないと思っているので、既存の知見で全否定みたいなのはどうかなという感想である。科学で対応できるものとそうではないものが、同列で俎上に上がっているような気はしたが、世の中で何をもって陰謀論として受け止められているのか整理しておくのには役立ったかも。

☆2

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