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「臨界点を超える世界経済」 吉田繁治

アイキャッチはまぐまぐの著者ページ のものです。
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2019年7月出版なのでCOVID19流行の前の本です。
著者の無料メルマガは.を購読していて面白いと思って著作を読んでみる気になった。
メルマガもそうだが、この著書でもこの人の文章はとても読みずらかったというのが一番かな。
何でこんな風に書くのかよくわからないが、「…でしょう。」という書き方がものすごく多い。
断定していないというか、文法的には推量の文末になっていて、無責任な感じになっているのだ。
世界情勢を分析して、本書でいえば通貨について論じているのだから、確定的なことは言えないにしても中途半端な文体だと感じる。刺のないような言い回しを意図しているということではない気がするので不思議な気がした。

出版当時はアベノミクスがいくらやってもトリクルダウンなんぞ起きないし、格差拡大するばかりだし、株価はあがっても、庶民から見て経済はよくならないしの時期で、「お札をぐるぐる刷って」と頭の足りないことわめいていたシンゾーが「ボクやーめた」とまた投げ出す直前かと思う。
選挙に勝つことにしか正当性のない政権で、歴代自民党政権が耕してきたそのための土壌に咲いたあだ花の散り際であった。中身は何もないが見た目はよくて選挙には勝つ(ことのできる制度にした結果)
徳川幕府は血統による権力の継承を選択したときに外国との交流を制限したのは慧眼であった。現代で外国との交流ナシはできないので血統による権力の継承などできやしないのだ、宗教では可能かもしれないけれど。

本書の構成は、前段として歴史的な通貨のありようについておさらいしたうえで、日本の財政がアベノミクスで破壊されるだろうという至極当然な予想から入っている。馬鹿が通貨をいじって、さらには中央銀行なるものまで巻き込んで頓珍漢なことやったらどうなるか縷々述べている。と僕は思うのだが、何しろ読みにくいので違うかもしれないのでしょう。

さらに中央銀行なるものの意義というか位置づけ、現在の基軸通貨であるドルの沿革とその戦略・現状の分析があって、通貨が不換紙幣の「ペーパーマネー」となって、さらにはデリバティブで実体経済をはるかに上回る金融社会に至る流れを著者の解釈で説明してくれている。
途中、ロスチャイルドやらでてくるが、陰謀論的な部分はひょいとかわして事実と思われることで語っていいるところは香ばしい気もする。よくわからない部分だからそれがいいのだろう。COVID19前の問題はリーマン以降の何かおかしな経済の状態だったが、その状態の分析としては腑に落ちるものが大きかった。顧みれば中央銀行が時の政権に膝を屈して隷属した暗黒の機関として安倍黒田両氏は歴史に名を残せそうだななどと読みながら思った。
COVID19 によるまさかのその後のさらなるペーパーマネーの大増刷はさすがに予見できるはずもないが、本書で予測している状態をさらに増幅して今日に至っているように思う。

本書読んで、ああこのころすでに中共の経済状態特に不動産の状況は破滅的だったのだと振り返る。
その後のロシアの動きは、金ではなく原油とガスであったが実物として交換可能で運搬可能なものを担保に、自国の通貨に流通性を持たせる行為であったり、中共のAIIBへの取り組みもドル体制からの離脱と考えれば理解しやすい。
さらに本書で中共が新元への切り替えで一気に債務問題を片付けようと策動してるというのは面白かった。確かに元建てやルーブル建ての通商は増加しているらしいし(よく知らん)ドルという魔法の紙が神通力失う日は近いのかも。普段目にする見立てと異なる視点は必要なのだろう。

こちらには守るべき資産もないのだが、年金暮らしの日々が近いので変なことが起こるとどうなるのだろうとは思う。やや荒唐無稽な気もするがそうでもしなければまとまりそうにない状況に今はなってる気もする。
いつまでたっても殴り合いで決めるのはいい加減にしてもらいたいとおもうが、それは人間なんだろうね。

☆3

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