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一歩進める@大井町案件20240405

不動産取引では一般的に物件の引き渡し代金決済の前に契約がありその前に購入の申し込みがあり場合によっては売渡承諾が出されたりする。宅建業法があるから、いきなり契約決済というのはないわけではないが僕の守備範囲ではあまり起こらない。去年1件あったけど少しイレギュラーな案件。
個人向けの住宅の売買ではこの手順が前提だから、申し込みの順番が割と大事だったのだが、どうもこのところ状況が変わってきているように思う。

思い起こすと数年前からその傾向はあったのだ。
とあるお客様の物件探しのの中で、売主さんの都合で内見開始が情報公開からしばらくたってからになった物件を希望されていた。内見可能日は中古にもかかわらず、まさに行列作って内見みたいな感じになってた。決してグロス金額が安い物件というわけではないにもかかわらず、即日購入申し込みが数件入ったという状況。全部満額で結局オーナーさんが感覚で決めたという話(本当かどうかは知らん)。

マンションがここまで高騰しているという感覚はまだなかったが火は燃え盛っている感じはしていた。
とはいえ即日満額申し込みが複数はいるってのは、僕からすれば値付け失敗なんだが、おそらく売主仲介もその頃はそこまではいかないと踏んでいたと思う。
新築マンションの供給が細く高くなって中古物件の価格が急騰し始めたころの話で、まだ5年もたっていない。当時はリノベマンション業者は仕入れあっての商売という感じで、申し込みから契約への流れでもそれなりに申し込み順は尊重されていたと思うし、ある意味仲介の立場を尊重している感じはあったのだ。間接的には購入希望している方は条件など諸々あってもお客様として尊重していたというところだろうか。

それが、今は少し様子が違ってきて「契約優先」という風潮である。つまり契約が早くて決済が早い購入者がいれば、申し込みの順序や契約の準備がどうあれ関係なくそちらに販売するというやり方が蔓延している。簡単に言えば売主優先なのだ。
市況がそういう状況なのはわかってはいるものの、あまり好ましいことではないのではなかろうかと、おっさんとしては心配している。
お客さんは正直だし今は様々な知識で武装している、市況はいつまでも売主優位ということでもなかろう。またそうした対応に慣れてしまった(あるいは企業の方針に沿て対応しているだけなんだが)担当者の目線や癖は修正するのが大変に違いないと思うからだ。

逆に言えば買主である一般の人もそうなんだ。簡単に約束したこと(例えば内見の予約もそうだし来店予約も同じ)を簡単にキャンセルする人が相変わらず結構な割合でいるのは確か。だからと言ってビジネスの側がそれでいいってわけではないんじゃないかな。
売買契約は諾成契約。契約準備に入っていて、より好条件の買主がいたから乗り換えるってのは、わかるけど品がない気がするんだけどね。
まあ今の状況でどうするか考えるしかないのが僕たちの仕事ではある。

ちなみに買主さんで当日内見などの約束キャンセルした人が購入に至ったことほぼない。そういうことなのである。
変なところで折衝力使わなくてはいけないので気力奪われるけれど前に進めるしかないので進めている。そういう一日だったのです。

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