借地権に関するノート 3

借地権に関するノート 2
の事案続き。

地主さんによる介入権の行使がないというステージまで進んでいた案件。
「正当事由による更新拒絶」というさらなる追加ステージが用意されてました。

我々、不動産業の借地底地の取り扱いでは、地主さん・借地人さん双方にメリットが最大化するように考えるのが普通です。
一般に借地さんは、
① 借地権を売却して資金を得たい。
② 底地を購入して所有権の土地にしたい。
という相談がほとんどだと思います。

逆に地主さんは
① 底地を売却して資金を得たい。
② 借地権を買い取って所有権にしたい。
と同じ内容の表と裏のケースが実務的には最も多いように思います。

どちらのケースも所有権としての土地の市場価格を算出して、路線価評価基準などを参考に譲渡価格を提案することになります。
またその結果底地借地の同時売却などということも起こると思います。

我々も普段旧法借地権は建物の滅失毀損のほか、消滅事由に出くわすケースはあまりないのが正直なところだと思います。底地を購入してじっくり借地人の売却しそうな時期を気長に待つという業者さんも知ってます。
それは借地権は滅失しないから底地人の土地の流動性が低く、市場価格が単独処分となると著しく低くなるという常識を我々が抱いているということです。

また、底地人に「正当な事由がある場合」は借地更新の拒絶は可能なことも常識の一部としてインプットされていることは間違いありません。

一般論として更新拒絶するタイミングは20年に一度(非堅固)とすれば代替わりもありますでしょうし、そもそもそんなに待てないのが「正当事由」と思います。

今回、介入権の行使でなく「正当事由による更新拒絶」・・・おそらく提訴されるのだと思いますが、全く予想外でした。
弁護士など法律家から見ればありうべき事態かとは思いますが、不動産取引の実務上そうなるケースは少ないと思います。

なぜなら以前記したようにかなり長期にわたり、借地人地主さんとも紛糾している案件で、いまさら「正当事由」と言われるとは思ってもいなかったし、またそれならばもっと早い段階でその事由が争点になっているはずだからです。

うかつと言えばうかつですが、地主さんからすれば、この行動により判決でなくとも和解案などで相応の金銭補償により借地権を滅失させ所有権にする道があるということは旧法借地権の欠点を保管する司法判断として、むしろ公平と言えると思いました。

旧法借地権はとても強い債権だと思いますが、時代の流れで借地法も改正されているのですから、「うちは旧法借地権だから大丈夫」とか「旧法借地権で貸してるから帰ってこない」と決めつけず、様々な方法・対策の検討と双方の情報収集に留意する必要が高いと思わされる事案になっています。

〈普通は〉とか〈一般的には〉ではない、個別の事情を勘案しないと、借地権・底地権の取扱に際してユーザー様の不利益を招きかねないですね。

  2019/03/03

追記:WEBでいろいろ見ていたら 弁護士法人 みずほ中央法律事務所 様のサイトがとても分かりやすくまとまっていたので参照されたらいいと思いました。

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